WORLD HERITAGE
ヴァレッタ市街
マルタのヴァレッタ市街は、聖ヨハネ騎士団が築いた要塞都市に宮殿・教会・病院・港湾機能が集中します。包囲戦と都市計画、地中海交流、労働と植民地史、海面上昇への保全を解説します。

ESSENTIAL FACTS
基本情報と登録基準
- 登録年
- 1980年
- 登録基準
- (1)・(6)
- 種類
- 文化遺産
- 国・地域
- マルタ
WHY IT MATTERS
この世界遺産について
半島・要塞・格子状市街の構成
二つの港に挟まれた半島に稜堡、城壁、堀、直線街路、宮殿、教会、病院、住宅が高密度に配置されています。要塞だけでなく港、対岸の防御都市、風・水・階段へ適応した街路を含む地中海都市景観として読みます。
大包囲戦後の建設史
十六世紀のオスマン軍との大包囲戦後、聖ヨハネ騎士団が計画都市を建設しました。キリスト教対イスラムの単純な文明衝突にせず、帝国間競争、海賊・奴隷制、地域住民、兵士・負傷者の経験を扱います。その後の仏・英統治と独立も追います。
要塞工学・病院・宗教建築
稜堡式要塞、騎士団の宿舎、総長宮殿、聖ヨハネ准司教座聖堂、病院は軍事・行政・宗教・医療を統合します。設計者だけでなく石切工、建設労働者、看護・炊事を担った人びとを扱い、現状に後世の改修・戦災復旧が含まれることを示します。
地中海交流・階層・植民地史
騎士団の各地域組織、商人、船員、移民が言語・建築・商品を交流させました。一方、身分・宗教・性別による排除、奴隷化された人びとの労働、英領期の軍港経済もありました。都市の欧州性だけでなく南地中海との関係を扱います。
登録基準(i)(vi)と価値
基準(i)は要塞、建築、都市計画が密集する統合的創造、基準(vi)は聖ヨハネ騎士団と地中海史に直接結びつく象徴性を評価します。検定ではマルタ、騎士団、大包囲戦、要塞都市、病院、基準(i)(vi)を整理します。
石材・海風・高密度利用の保全
石灰岩の塩害・風化、豪雨、海面上昇、交通、振動、火災、観光・催事、住宅転用が課題です。城壁と排水を維持し、現代設備を景観と安全へ配慮して導入します。住民・行政・礼拝・文化施設が共存する生活都市として守ります。
旅行・礼拝・港湾都市への配慮
施設公開、礼拝、催事、交通、暑熱は変動するため、必ず再確認します。教会と行政区域の規則を守り、軍事建築の壮観さと奴隷制・包囲戦・植民地支配を併せて学びます。
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