人類化石出土のサンギラン遺跡の写真

人類化石出土のサンギラン遺跡

サンギラン初期人類遺跡とは

インドネシアのジャワ島中部に位置する、初期人類の化石が多数発見された世界的に重要な考古学遺跡です。1996年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。1930年代にホモ・エレクトゥス(ジャワ原人)の化石が発見されて以来、50体分以上の化石が出土しており、人類の進化を研究する上で欠かせない場所となっています。

世界遺産登録基準

この遺産は、以下の基準を満たしたと評価されました。

  • 基準(iii): 過去150万年にわたる人類の進化の歴史を物語る、他に類を見ない物的な証拠を提供している。
  • 基準(vi): サンギランの発見は、人類の進化に関する科学的な理解に大きく貢献し、進化論の研究において極めて重要な意義を持つ。

人類進化研究における価値

サンギランの価値は、長期間にわたる地層から、ホモ・エレクトゥスの化石だけでなく、彼らが使用した石器や、当時の環境を知る手がかりとなる動物の化石が共に出土する点にあります。これにより、初期人類の姿形だけでなく、その生活様式や生態系までを総合的に理解することができます。世界のホモ・エレクトゥス化石の半数以上がここで発見されています。

地理と主な発見

かつてこの地はドーム状の地形でしたが、長年の侵食によって内部の古い地層が露出し、化石が発見されやすい状態になりました。発見された化石には、初期のホモ・エレクトゥスから、より進化した段階のものまで含まれており、一つの場所で進化の過程を追うことができる貴重なフィールドとなっています。

観光と保全

遺跡内には博物館が設置されており、出土した化石や石器、復元模型などが展示されています。訪問者は、人類の遠い祖先の姿とその進化の道のりを学ぶことができます。遺跡の保護と、違法な化石採掘を防ぐための監視活動が重要な課題となっています。

主な発見とその意義

発見 意義
ホモ・エレクトゥスの化石 「ジャワ原人」として知られる。人類がアフリカからアジアへ拡散したことを示す重要な証拠。
メガントロプスの化石 より古い時代の大型人類の化石。ホモ・エレクトゥスとの関係が研究されている。
動物化石 ゾウ、サイ、シカなどの化石。当時の自然環境や生態系を復元する手がかりとなる。
石器 礫器(チョッパー)などの単純な石器。初期人類の技術レベルや行動様式を示す。

人類化石出土のサンギラン遺跡の基本情報

                         
国名 インドネシア共和国
世界遺産の名称 人類化石出土のサンギラン遺跡
遺産の種類 文化遺産
登録年 1996
拡張・範囲変更
危機遺産
危機遺産登録期間
登録基準 (ⅲ)(ⅵ)
備考
範囲(ヘクタール)5600
地図

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