概要
アボメの王宮群は、西アフリカのベナン共和国に位置する、かつてのダホメ王国の王宮跡です。1625年から1900年にかけて、歴代12人の王がそれぞれ自らの宮殿を建設しました。土を主材料とした伝統的な建築群と、王国の歴史や思想を物語る精巧なレリーフが特徴で、1985年に世界文化遺産に登録されました。
遺産の価値
この王宮群は、消滅した王国の歴史、文化、儀礼、そして伝統芸術を現代に伝える生きた証人です。特に、宮殿の壁を飾るレリーフは、文字を持たなかったダホメの人々にとって、歴史上の出来事やことわざ、王の権力を記録し、伝達する重要な手段でした。
登録基準
- (iii) 現在は消滅してしまった文明や文化的伝統に関する、たぐいまれな証拠を提供する。
- (iv) ある歴史的時代を代表する、優れた建築様式や建築技術の集合体である。
主な見どころ
| 見どころ | 特徴 |
|---|---|
| ゲゾ王とグレレ王の宮殿 | 現在はアボメ歴史博物館として利用されており、王国の儀式で使われた玉座や彫像、武器などが展示されています。 |
| 土のレリーフ | 各宮殿の壁面には、動物や武器などをモチーフにした土製のレリーフが施され、王の功績や王国の神話を物語っています。 |
参考文献
UNESCO World Heritage Centre. 「アボメの王宮群」. https://whc.unesco.org/ja/list/323