レーロースの鉱山都市と周辺とは
レーロースは、ノルウェー中央部の高原地帯に位置する鉱山都市です。1644年に銅鉱山が発見されてから333年間にわたり採掘が続けられ、その富によって独特の木造建築からなる都市が形成されました。鉱山施設、都市、そして周辺の文化的景観が一体となって、1980年にユネスコの世界文化遺産に登録されました(2010年に範囲拡大)。
遺産の価値
この遺産の価値は、厳しい気候の中で鉱山業によって形成され、奇跡的に保存されてきた木造都市の姿にあります。
- 保存状態の良い木造建築群: 鉱山監督者の邸宅から労働者の質素な家まで、当時の社会階層を反映した約80棟の木造建築が、17世紀に作られた都市計画の中にそのまま残されています。これらはスカンディナヴィアの木造都市として非常に貴重な例です。
- 鉱山活動が作った文化的景観: 遺産には、都市だけでなく、鉱山跡、精錬所、そして鉱石や物資を運んだ冬の輸送路の跡など、鉱山活動に関わる広範な文化的景観が含まれています。これらは、産業が自然環境をいかに変容させたかを示しています。
世界遺産登録基準
- (iii) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
- (iv) 人類の歴史上において代表的な段階を示す、建築様式、建築物群、技術の集積、または景観の顕著な見本。
- (v) ある文化を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例。
概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | ノルウェー、トロンデラーグ県 |
| 登録年 | 1980年(2010年範囲拡大) |
| 遺産種別 | 文化遺産 |
| 操業期間 | 1644年~1977年(333年間) |
| 主要鉱物 | 銅 |
| 主な遺構 | 木造都市、鉱山跡、精錬所、輸送路跡 |