概要
「オランジュのローマ劇場と凱旋門」は、フランス南部のオランジュに位置するローマ帝国時代の遺跡群です。古代ローマの優れた建築技術と文化を今に伝える貴重な遺産として、1981年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。保存状態の良さで知られ、特に劇場は現在もオペラなどが上演される現役の施設として利用されています。
世界遺産としての価値
この遺産は、以下の登録基準を満たしていると評価されています。
- 登録基準(iii): ローマ帝国における植民都市の文化を証明する顕著な例証であること。劇場や凱旋門は、ローマ時代の市民生活や皇帝の栄光を伝える上で不可欠な建造物でした。
- 登録基準(vi): ローマ帝国の威光とその広範な影響を物語る重要な建造物であること。これらの遺跡は、ヨーロッパ文化の源流の一つであるローマ文化を理解する上で重要な役割を果たしています。
主な構成資産
遺産は主に、ローマ劇場と凱旋門の2つの建造物から構成されます。
| 遺跡名 | 特徴 |
|---|---|
| ローマ劇場 | 紀元前1世紀に建設された、世界で最も保存状態の良いローマ劇場の一つ。特に高さ37m、長さ103mに及ぶ壮麗な舞台背後の壁は圧巻です。 |
| 凱旋門 | 紀元1世紀初頭に建設された三重のアーチを持つ凱旋門。ガリア戦争におけるローマ軍の勝利を記念した精緻なレリーフが施されています。 |