島の経済を物語る真珠産業遺産
バーレーンの「真珠採取、島の経済を物語る遺産」は、2012年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。この遺産は、19世紀末から20世紀初頭にかけてペルシャ湾岸で栄えた真珠産業の最後の完全な姿を今に伝えるもので、海洋の採取場、海岸沿いの砦、真珠商人の邸宅など、複数の要素で構成されています。
世界遺産登録基準
- 登録基準 (iii): 長期間にわたって特定の文化圏で発展した、建築、科学技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展を伝える顕著な見本であること。バーレーンの真珠産業は、島の経済と社会を何世紀にもわたって形成した文化的伝統の類まれな証拠です。
遺産の概要と価値
石油が発見される以前、バーレーンの経済は真珠産業に大きく依存していました。この遺産は、真珠採取に従事したダイバーたちの生活、技術、社会的慣習から、国際的な真珠取引の中心地であったムハッラクの繁栄まで、産業のあらゆる側面を網羅しています。真珠採取は単なる経済活動ではなく、音楽や祭りなど豊かな文化を生み出しました。この遺産は、天然資源に依存した経済モデルが、いかにして一つの文化を形成し、そして時代の変化とともに衰退していったかを物語る貴重な事例です。
主な構成資産
構成資産名 | 特徴 |
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真珠採取海域(オイスターベッド) | 真珠貝が生息する3カ所の海洋エリア。 |
ブー・マーヒル砦 | 真珠採取船の監視拠点であった海岸の砦。 |
ムハッラク市内の建造物群 | 真珠商人の邸宅、倉庫、モスクなど17の歴史的建造物。 |