オスン‐オソボの聖林
オスン‐オソボの聖林は、ナイジェリア南西部に位置する、ヨルバ民族の信仰の中心地です。ヨルバ神話における豊穣の女神オスンが棲むとされるこの森は、オスン川沿いに広がる原生林の一部であり、ヨルバの人々にとって最も重要な聖地の一つです。森の中には、女神や他の神々を祀るための祠や彫刻が点在し、自然と芸術、信仰が一体となった独特の景観を生み出しています。
ヨルバの女神が宿る森
この聖林は、20世紀半ばにオーストリア人芸術家スザンヌ・ヴェンゲルと地元の芸術家たちによって保護・再生されたことで、その価値を一層高めました。彼らはヨルバの神話を主題とした巨大な彫刻や建築物を森の中に制作し、伝統信仰に新たな息吹を吹き込みました。現在でも毎年夏には盛大なオスン祭が開催され、国内外から多くの巡礼者や観光客が訪れます。この聖林は、ヨルバ民族のアイデンティティの象徴であり続けています。
主要な構成要素 | 特徴 |
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オスン女神の神殿群 | 聖林の中心に位置し、多くの儀式が行われる場所。 |
聖なる彫刻群 | スザンヌ・ヴェンゲルと地元の芸術家たちが制作した、神話に基づく芸術作品。 |
オスン川 | 女神オスンの化身とされる神聖な川。祭りの際には重要な役割を果たす。 |
世界遺産登録基準
- (ii) ヨルバの伝統的な信仰と、現代芸術運動との交流が生み出した顕著な例です。
- (iii) ヨルバ民族の宇宙観を伝える、消滅の危機にある文化的伝統の類まれな証拠です。
- (vi) ヨルバ民族のアイデンティティの拠り所として、今なお生き続ける信仰の中心地です。