ルーネンバーグ旧市街とは
ルーネンバーグは、カナダのノバスコシア州大西洋岸に位置する港町です。18世紀半ばにイギリスが計画的に建設した植民都市の姿を、碁盤目状の街路やカラフルな木造建築群と共に見事に保存しており、「北米におけるイギリス植民都市の最良の見本」と評価されています。
世界遺産登録の経緯
1753年、主にドイツ、スイス、フランスから来たプロテスタント系移民の入植地として建設されました。その際、本国で設計された都市計画がほぼそのままの形で実現・維持されてきました。この計画都市の原型と、それに伴う独特の建築文化が評価され、1995年に登録基準(iv)と(v)を満たして世界文化遺産に登録されました。
遺産の価値
この町の価値は、保存状態の良い都市計画と建築様式にあります。
- 植民都市計画の典型例(登録基準iv):丘の斜面に沿って整然と区画された長方形の街路は、18世紀のイギリスの都市計画思想を忠実に反映しています。
- 独特な文化的景観の創出(登録基準v):漁業で栄えた歴史を背景に、赤、青、黄色など鮮やかな色彩で塗られた木造家屋が立ち並びます。特に「ルーネンバーグ・バンプ」と呼ばれる張り出し窓を持つ建築様式は、この地固有の文化的景観を形成しています。
主な建造物
旧市街には、設立当初からの歴史を物語る多くの建造物が残されています。
| 建造物 | 説明 |
|---|---|
| ルーネンバーグ・アカデミー | 1895年築のヴィクトリア朝様式の壮麗な木造校舎。丘の上に建ち、街のランドマークとなっている。 |
| セント・ジョンズ聖公会教会 | 1754年築。カナダで2番目に古いプロテスタント教会で、ゴシック・リヴァイヴァル様式の美しい木造建築。 |
| 木造住宅群 | 18世紀から19世紀にかけて建てられたカラフルな木造家屋。多くが今も住居として利用されている。 |
ルーネンバーグ旧市街は、歴史的な街並みが人々の生活の中に息づく、生きた文化遺産です。