トゥルネーのノートル・ダム大聖堂の概要
トゥルネーのノートル・ダム大聖堂は、ベルギー西部の都市トゥルネーに位置する、ベルギーで最も美しい宗教建築の一つです。12世紀に建設が始まり、ロマネスク様式の身廊と、初期ゴシック様式の内陣や翼廊が融合した独特の建築様式を特徴としています。特に、5つの塔がそびえ立つ壮大な姿は圧巻です。この大聖ODPは、中世ヨーロッパの建築芸術の発展を示す重要な証拠として、2000年に世界文化遺産に登録されました。
世界遺産登録基準
- (ii) 12世紀初頭の内陣は、フランスで生まれたゴシック様式がフランドル地方に伝播し、発展していく過程で重要な影響を与えた。
- (iv) 巨大なロマネスク様式の身廊と、5つの塔を持つ翼廊、そしてゴシック様式の内陣が一体となった大聖堂は、建築史上の傑出した例である。
建築様式の特徴
この大聖堂の最大の魅力は、二つの異なる建築様式が見事に調和している点です。その特徴は以下の通りです。
- ロマネスク様式の身廊: 12世紀前半に建てられ、重厚な壁と半円アーチ、そして2階建ての構成が特徴的です。
- ゴシック様式の内陣: 13世紀に再建され、高い天井、尖頭アーチ、そして大きな窓から光が差し込む、軽やかで荘厳な空間を創り出しています。
- 5つの鐘楼: ロマネスク様式の翼廊との交差部にそびえる5つの塔は、大聖堂の象徴であり、そのシルエットはトゥルネーの街のどこからでも見ることができます。