五台山とは
五台山は、中国山西省にある仏教の聖地で、5つの平坦な頂を持つ山々からその名が付けられました。知恵を司る文殊菩薩の道場(聖地)とされ、中国四大仏教名山の一つに数えられます。唐代以降、歴代皇帝の庇護を受けて多くの寺院が建立され、中国だけでなくチベット、モンゴル、日本などからも巡礼者が訪れる国際的な仏教の中心地として栄えました。その文化的景観が評価され、2009年に世界文化遺産に登録されました。
世界遺産登録基準
- (ii) 1000年以上にわたり、アジアの広範な地域から影響を受け、また影響を与えた仏教建築と芸術の発展を示している点。
- (iii) 五台山における文殊菩薩信仰の発展と、それに伴う巡礼の伝統が、文化的伝統の顕著な証拠である点。
- (iv) 唐代から清代に至るまでの中国の仏教寺院建築の発展段階を示す、優れた見本である点。
- (vi) アジア仏教における文殊菩薩信仰の形成と発展に、他にないほど直接的に関連している点。
主な寺院
五台山には多くの寺院が点在しますが、特に中心部である台懐鎮に主要な寺院が集まっています。
| 寺院名 | 特徴 |
|---|---|
| 顕通寺(けんつうじ) | 五台山で最も古く、最大規模の寺院。後漢時代に創建されたと伝えられ、五台山の仏教文化の中心的存在です。 |
| 塔院寺(とういんじ) | 顕通寺に隣接し、ネパール様式の巨大な白塔(大白塔)が象徴的な寺院。この塔は五台山のランドマークとされています。 |
| 菩薩頂(ぼさつちょう) | 霊鷲峰の頂上に位置する、五台山で最大規模のチベット仏教寺院。清代には皇帝の勅願寺となり、壮麗な瑠璃瓦の屋根が特徴です。 |