峨眉山と楽山大仏とは
峨眉山(がびさん)と楽山大仏(らくさんだいぶつ)は、中国四川省にある文化的・宗教的に重要な遺産群で、1996年に文化と自然の複合遺産としてユネスコの世界遺産に登録されました。峨眉山は中国四大仏教名山の一つで、普賢菩薩の霊場として知られます。楽山大仏は、岷江のほとりに彫られた世界最大級の石仏です。
遺産の価値
この遺産は、壮大な自然の中に根付いた深い仏教信仰と、それを具現化した古代中国の驚異的な建築・彫刻技術を今に伝えています。
- 仏教信仰の聖地:峨眉山は1世紀に中国初の仏教寺院が建立されたと伝えられ、以来、約2000年にわたり仏教信仰の中心地として栄えました。山内には多くの寺院が点在し、今も巡礼者が絶えません。
- 驚異的な石窟彫刻技術:高さ71メートルを誇る楽山大仏は、唐代に90年の歳月をかけて造営されました。川の氾濫を鎮めるために造られたこの巨大な仏像は、当時の高度な土木技術と人々の篤い信仰心の結晶です。
- 豊かな自然環境:亜熱帯から亜寒帯までの多様な植生が見られ、豊かな生物多様性を誇ります。美しい自然景観が、宗教的な聖地の荘厳さを一層高めています。
主な見どころ
信仰と自然が融合した見どころが数多く存在します。
| 遺跡名 | 特徴 |
|---|---|
| 楽山大仏 | 岷江、大渡河、青衣江の三つの川が合流する地点の崖に彫られた弥勒菩薩の坐像。その巨大さは圧巻。 |
| 峨眉山 金頂 | 標高3077メートルの山頂エリア。普賢菩薩を祀る華蔵寺があり、雲海やご来光の名所として知られる。 |
| 万年寺 | 峨眉山で最も古い寺院の一つ。普賢菩薩が乗る白象の銅像が有名。 |
登録基準
- (iv) ある建築様式、建築物群、技術の集積、または景観の顕著な例。
- (vi) 顕著な普遍的意義を有する出来事、生きた伝統、思想、信仰、芸術的、文学的作品と直接に、または明白に関連するもの。
- (x) 生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地。
参考文献
「峨眉山と楽山大仏」UNESCO World Heritage Centre. https://whc.unesco.org/ja/list/779