概要
マントヴァとサッビオネータは、イタリア北部のロンバルディア州に位置する、ルネサンス期の都市計画を代表する二つの都市です。2008年に世界遺産に登録されました。両都市は、15世紀から16世紀にかけてゴンザーガ家の統治下で発展しましたが、その成り立ちは対照的です。マントヴァは既存の中世都市にルネサンスの理念を適用して改修された一方、サッビオネータはルネサンスの理想都市として一から建設されました。この二つの都市は、ルネサンス期における都市計画の異なる側面を今日に伝えています。
主な見どころ
マントヴァ
- ドゥカーレ宮殿:ゴンザーガ家の広大な居城。500以上の部屋を持ち、マンテーニャのフレスコ画「夫婦の間」は必見です。
- テ宮殿:ゴンザーガ家の別荘として建てられたマニエリスム建築の傑作。ジュリオ・ロマーノによる内部の奇抜でダイナミックなフレスコ画で知られています。
- サンタンドレア聖堂:ルネサンス建築の巨匠レオン・バッティスタ・アルベルティの設計による教会。その壮大なファサードは、後の教会建築に大きな影響を与えました。
サッビオネータ
- テアトロ・アッランティカ(古代風劇場):ヴィンチェンツォ・スカモッツィ設計による、屋根のある近代的な劇場としてはヨーロッパで最初のものの一つ。
- ドゥカーレ宮殿:サッビオネータの統治者ヴェスパシアーノ・ゴンザーガの公邸。
- ガッレリア・デッリ・アンティキ(古代美術の回廊):ヴェスパシアーノの古代彫刻コレクションを展示するために建てられた長い回廊。
世界遺産登録基準
この遺産は、以下の基準を満たしたと見なされ、世界遺産に登録されました。
- (ii) マントヴァとサッビオネータは、ルネサンス文化がヨーロッパ各地に広まる上で重要な役割を果たした。両都市は、ルネサンスの理念に基づいた都市計画、建築、芸術の発展を代表している。
- (iii) これらの都市は、ゴンザーガ家によって実現されたルネサンス期の理想都市の類まれな証拠である。それぞれの都市計画は、当時の政治的、社会的、文化的ビジョンを反映している。