ケルナヴェ古代遺跡(ケルナヴェ文化保護区)とは
ケルナヴェ古代遺跡は、リトアニアの首都ビリニュスから北西約35kmに位置する考古遺跡群で、2004年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。約1万年にわたる人類の居住の歴史を示すこの遺跡は、特に中世リトアニア大公国の最初の首都であったとされ、「リトアニアのトロイ」とも呼ばれています。
世界遺産登録基準
- (iii) 石器時代から中世にかけてのバルト海地域における居住地の発展と、異教からキリスト教への葬送儀礼の変遷を示す類い稀な証拠。
- (iv) 中世ヨーロッパにおけるキリスト教化以前の、丘砦を中心とした防御的な集落構造の顕著な見本。
遺産の詳細
ケルナヴェ遺跡は、ネリス川の渓谷を見下ろす5つの丘砦(ヒルフォート)群を中心に構成されています。これらの丘砦は、鉄器時代から中世にかけて築かれた防御施設であり、その麓には集落や墓地、聖域の跡が広がっています。考古学的調査により、パガン(異教)時代の埋葬跡からキリスト教化後のものまで、長い年月にわたる文化の変遷を示す貴重な遺物が多数発見されており、リトアニア国家形成期の歴史を解き明かす上で重要な役割を果たしています。
主な構成資産
| 名称 | 特徴 |
|---|---|
| 丘砦群(ヒルフォート) | 中世の防御システムを構成する5つの丘。リトアニアの歴史的な景観を象徴する。 |
| パジャウタ渓谷 | 古代の集落や職人の作業場、聖域の跡が発見されている。 |
| 古代の埋葬地 | 異教時代からキリスト教時代までの多様な様式の墓が見つかっている。 |