概要
「チキトスのイエズス会伝道施設群」は、ボリビア東部のサンタクルス県に点在する、17世紀末から18世紀にかけて建設された6つのミッション(伝道所)からなる世界文化遺産です。1990年に登録されました。イエズス会士が先住民のチキート族をキリスト教に改宗させるために築いた集落で、ヨーロッパのバロック建築と地元の伝統的な建築様式が融合した独自の様式が特徴です。
世界遺産登録基準
- (iv) ヨーロッパのキリスト教建築の様式と、地元の伝統的な建築様式が見事に融合した、独特の建築群を形成している点。
- (v) イエズス会が理想とした、キリスト教に基づく先住民の自治共同体「レドゥクシオン」の形態を現在に伝える貴重な例である点。
主な構成資産
世界遺産には、現在も教会として機能している6つのミッションが含まれています。
| ミッション名 | 特徴 |
|---|---|
| サン・フランシスコ・ハビエル | 17世紀末に最初に設立されたミッションの一つ。音楽学校が併設されていました。 |
| コンセプシオン | 最も保存状態が良いとされるミッション。壮麗な教会堂と鐘楼が残ります。 |
| サンタ・アナ | 最も素朴な造りで、先住民の様式が色濃く残っています。 |
| サン・ミゲル・デ・ベラスコ | 美しい祭壇画と、金箔で飾られた説教壇で知られています。 |
| サン・ラファエル・デ・ベラスコ | 木彫りの祭壇や柱など、内部の装飾が特徴的です。 |
| サン・ホセ・デ・チキートス | 唯一の石造りのファサードを持つミッションです。 |