WORLD HERITAGE
ホルトバージ国立公園―プスタ
ハンガリーのホルトバージは、放牧、牧道、井戸、宿駅、河川改変と水管理が草原・湿地を形成してきた文化的景観です。牧畜労働、在来家畜、野鳥と草地の生物多様性、干ばつ・農地化の中での生業継承を解説します。

ESSENTIAL FACTS
基本情報と登録基準
- 登録年
- 1999年
- 登録基準
- (4)・(5)
- 種類
- 文化遺産
- 国・地域
- ハンガリー
WHY IT MATTERS
この世界遺産について
ホルトバージ国立公園―プスタとは
ハンガリー東部の大平原に広がる、牧畜の文化的景観です。正式な英語名は Hortobágy National Park – the Puszta。1999年に登録基準(iv)(v)で世界遺産となりました。登録面積は74,820 ha、緩衝地帯は199,380 haです。国立公園という名称ですが、世界遺産としての区分は自然遺産ではなく文化遺産です。
自然の草原と人の土地利用
プスタには草原、アルカリ性の牧草地、湿地などがモザイク状に広がります。UNESCOの説明によると、樹木の少ないアルカリ性草原は更新世末から存在していました。したがって、すべてを人間の伐採や放牧がつくった草原とみなすことはできません。その自然条件に適応した家畜の飼育が長く続き、人の利用と自然の基盤が重なって現在の景観を形づくっています。
牧畜を支えた井戸・橋・宿
木製の井戸、家畜や牧夫のための季節的な小屋、橋、チャールダと呼ばれる街道沿いの宿が、牧畜生活と移動の歴史を伝えます。九つのアーチを持つ橋やザードル橋は、その代表的な建造物です。チャールダは旅人に食事、飲み物、宿泊を提供する場所でした。広い草原の中に点在するこうした施設は、見晴らしを飾るだけでなく、家畜と人の暮らしに役立ってきました。
UNESCOは、4月から10月の放牧期に家畜を連れて草原を利用する牧畜者の姿を説明しています。牧畜は建造物だけでなく、社会的な慣習や手仕事を伴う生業でもあります。日干しれんがや葦を使う小屋など、土地の材料と利用方法が結びついています。
水管理による景観の変化
19世紀半ば以降、ティサ川の洪水を制御する治水が進み、湿地の一部は草地や耕地へ変わりました。一方、水の供給が減った牧草地では生産力が低下し、20世紀初めの深刻な過放牧につながる一因となりました。1914〜1918年と1950年代には人工の養魚池も造られています。プスタは一つの時代の姿をそのまま残した場所ではなく、水と生業の変化を刻んだ景観です。
登録基準と保全
基準(iv)は、牧畜社会によって形づくられた文化的景観の優れた現存例であることを評価します。基準(v)は、数千年にわたる伝統的な土地利用の痕跡と、人と自然との関係が目に見える形で残ることに関わります。井戸や橋だけでなく、それを必要とする放牧の継続にも価値があります。
UNESCOの保全要件は、過放牧と放牧不足の双方、また集約的な採草による草地の劣化を課題として挙げています。同じページには、国立公園によるメッジェシュ、ホルトバージ、カダルチのチャールダの修復も記録されています。建物を修理することと、草地を適切に利用することが、文化的景観を受け継ぐ両輪です。なお、国立公園全体の拡張後の面積と、世界遺産の登録面積は同一ではありません。
参考文献
世界遺産検定で押さえるポイント
ハンガリー大平原のプスタを対象とする文化遺産で、1999年登録、基準は(iv)(v)です。草原と湿地を利用する牧畜、井戸・橋・チャールダ、長期にわたる人と自然の関係が重要な特徴です。
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世界遺産検定で押さえるポイント
- ハンガリー大平原のプスタを対象とする文化遺産で、1999年登録、基準は(iv)(v)です。
- 草原と湿地を利用する牧畜、井戸・橋・チャールダ、長期にわたる人と自然の関係が重要な特徴です。
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