リマの歴史地区とは
リマの歴史地区(Historic Centre of Lima)は、ペルーの首都リマの中心部に位置するエリアです。1535年にスペインの征服者フランシスコ・ピサロによって「諸王の都」として建設され、スペイン植民地時代には南米における政治、経済、宗教の中心地として栄えました。その時代の壮麗な建築物が数多く残されており、1988年に世界文化遺産に登録され、1991年には範囲が拡大されました。
登録基準
- 基準(iv): 人類の歴史上において代表的な段階を示す、建築様式、建築技術または科学技術の総合体、あるいは景観の顕著な見本。リマの歴史地区は、16世紀から18世紀にかけてのスペイン植民都市の建築と都市計画を代表する顕著な例です。特に、サン・フランシスコ修道院は、植民地時代のアメリカ大陸における宗教建築の傑作とされています。
遺産の価値
リマの歴史地区の価値は、スペイン植民地時代の南米における最も重要な都市の姿を、その壮麗な建築群を通じて今に伝えている点にあります。
- 植民地建築の宝庫: バロック様式、新古典主義様式など、スペイン本国の影響を受けつつ、現地の素材や技術を取り入れた独自の建築が発展しました。特に、木製のバルコニー(ミラドール)が連なる街並みはリマの大きな特徴です。
- 宗教と権力の中心: 南米におけるカトリック布教の拠点として、カテドラル(大聖堂)をはじめとする50以上の教会や修道院が建設されました。これらの建物は、当時の教会の強大な権力と富を物語っています。
概要
地理と歴史
ペルーの太平洋岸、リマック川のほとりに位置します。1535年の建設以来、ペルー副王領の首都として、スペインの南米支配の拠点であり続けました。1746年の大地震で甚大な被害を受けましたが、その後再建され、現在の街並みが形成されました。
主要な建造物
中心であるマヨール広場(旧アルマス広場)の周辺には、大統領府、カテドラル、市庁舎など、植民地時代からの重要な建物が集まっています。
| 建造物名 | 特徴 | 
|---|---|
| サン・フランシスコ修道院 | 壮大なバロック様式の教会と修道院。美しいタイル装飾や図書館、そしてカタコンベ(地下墓地)で有名です。 | 
| リマ大聖堂(カテドラル) | マヨール広場に面して建つリマのシンボル。フランシスコ・ピサロの棺が安置されています。 | 
| サント・ドミンゴ修道院 | 美しい中庭と鐘楼を持つ歴史ある修道院。ペルーの二人の聖人、リマのローザとポレスのマルティンゆかりの地です。 | 
リマの歴史地区は、植民地時代の栄華とペルーの複雑な歴史を物語る、南米を代表する文化遺産です。
参考文献
UNESCO World Heritage Centre. “Historic Centre of Lima”. https://whc.unesco.org/en/list/500

 
    
       
       
       
       
       
       
       
       
      