ゲラティ修道院の概要
ゲラティ修道院は、ジョージア西部の都市クタイシ近郊に位置する中世の修道院複合体です。12世紀初頭にジョージアの最も偉大な王とされるダヴィド4世(建設王)によって創建されました。修道院は単なる宗教施設にとどまらず、当時の科学、哲学、芸術の中心地であり、「第二のエルサレム」または「第二のアトス」と称されるほどのアカデミーを擁していました。その建築と芸術の質の高さが評価され、1994年に世界文化遺産に登録されました。
主な構成資産
修道院の敷地内には、中世ジョージア建築の傑作とされる複数の建造物が残されています。
- 生神女聖堂(主聖堂): 修道院の中心となる大聖堂。12世紀に建設され、内部は壮麗なモザイク画とフレスコ画で飾られています。特に、祭壇を飾る聖母子のモザイク画は傑作として知られています。
- 聖ゲオルギオス教会: 13世紀に建てられた教会。主聖堂より小規模ですが、保存状態の良いフレスコ画が特徴です。
- 聖ニコラオス教会: 13世紀に建てられた2階建ての珍しい構造を持つ教会です。
- アカデミー: かつて神学、哲学、天文学などが教えられた学術機関の建物跡。
世界遺産登録基準
ゲラティ修道院は、以下の基準を満たしたことが評価され、世界遺産に登録されました。
- (iv) 建築様式: ビザンティン建築の様式を取り入れつつ、独自の発展を遂げた中世ジョージアの「黄金時代」の教会建築と壁画を代表する、傑出した見本です。
| 建造物 | 特徴 |
|---|---|
| 生神女聖堂 | 12世紀創建。壮大なモザイク画とフレスコ画で知られる主聖堂。 |
| 聖ゲオルギオス教会 | 13世紀建立。保存状態の良いフレスコ画が残る。 |
| 聖ニコラオス教会 | 13世紀建立。珍しい2階建ての構造を持つ教会。 |
| アカデミー | 中世の学術センター。ジョージアの文化と教育の中心地だった。 |