バースの市街とは
バースの市街(City of Bath)は、イギリスのサマセット州に位置する歴史的な都市で、1987年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。この都市は、古代ローマ時代から続く温泉地として知られ、18世紀には美しいジョージアン建築の街並みが築かれました。ローマ時代の遺跡と調和した優雅な都市景観が特徴です。
登録基準
- 基準(i): 人類の創造的才能を表す傑作として評価されています。特に、ロイヤル・クレセントやザ・サーカスに代表されるジョージアン建築の都市計画は、建築美学の頂点を示しています。
- 基準(ii): 文化の交流と融合を示す顕著な例としても評価されています。バースは、ローマ時代の温泉文化と18世紀のジョージアン建築が見事に融合した都市です。
- 基準(iv): 建築や技術の発展を示す顕著な例としても認められています。特に、18世紀のジョージアン建築の発展と、その先駆的な都市計画が評価されています。
遺産の価値
バースの市街の価値は、その建築的、歴史的、文化的な重要性にあります。
- ジョージアン建築の傑作: バースには、ジョン・ウッド親子が設計したロイヤル・クレセントやザ・サーカスといった、ジョージアン建築の名作が数多く存在します。これらは18世紀の建築美学と都市計画の最良の例です。
- 温泉文化: 古代ローマ時代から続く温泉文化の中心地であり、保存状態の良いローマ浴場跡は重要な歴史遺産です。18世紀には温泉保養地として再び脚光を浴び、社交の中心地として発展しました。
遺産の概要
その独特な歴史的背景と深い文化的意義から、バースの市街は次のような特徴を持っています。
地理と歴史
イギリスのサマセット州に位置し、古代ローマ人によって温泉地「アクアエ・スリス」として建設されました。18世紀に温泉保養地として人気を博し、ジョージアン建築の都市が建設されました。
主要な建造物
バースには多くの重要な建造物があります。特に、ロイヤル・クレセント、バース寺院、ローマ浴場は、その歴史的価値と美しさから訪れる人々に深い感動を与えます。
| 建造物名 | 特徴 |
|---|---|
| ロイヤル・クレセント | ジョージアン建築の傑作。30軒のテラスハウスが優雅な三日月形を描く。 |
| バース寺院 | ゴシック様式の壮麗な大聖堂。「西イングランドのランタン」と称される。 |
| ローマ浴場 | 保存状態の良い古代ローマ時代の温泉施設。 |
バースの市街は、その歴史的、文化的、建築的価値から、訪れる人々に深い感動を与えます。この遺産を保護し、後世に伝えていくことは、私たちの責務であり、世界の文化遺産としての価値を高める重要な役割を果たしています。
参考文献
UNESCO World Heritage Centre. “City of Bath”. whc.unesco.org/en/list/428