ブダペストのドナウ河岸とブダ城地区及びアンドラーシ通り
ハンガリーの首都ブダペスト中心部を流れるドナウ川の両岸に広がる地域で、1987年に世界文化遺産に登録され、2002年にアンドラーシ通りとその周辺まで範囲が拡大されました。「ドナウの真珠」と称される美しい景観は、古代ローマ時代からオスマン帝国、オーストリア=ハンガリー帝国時代に至るまで、多様な文化の影響を受けて形成されたものです。
世界遺産としての価値
この遺産は、異なる時代の建築様式や都市計画が融合し、ヨーロッパの歴史的な都市景観の優れた見本となっている点が評価されています。特に、ブダ城、国会議事堂、セーチェーニ鎖橋など、各時代の建築技術の粋を集めた建造物群が、その価値を物語っています。
- 登録基準(ii):ある期間を通じて、または、ある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
 - 登録基準(iv):人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積、または景観の優れた見本。
 
主な構成資産
ドナウ河岸には、ブダペストの象徴ともいえる歴史的建造物が数多く残されています。
| 構成資産名 | 特徴 | 
|---|---|
| ブダ城 | 王宮、歴史博物館、美術館などからなる丘の上の城。ゴシックからバロックまで様々な様式が見られる。 | 
| 国会議事堂 | ドナウ川沿いに建つ世界最大級の国会議事堂。壮麗なネオ・ゴシック様式の建築。 | 
| セーチェーニ鎖橋 | ブダ地区とペスト地区を初めて結んだ歴史的な吊り橋。夜のライトアップが美しい。 | 
| アンドラーシ通り | 19世紀後半にパリのシャンゼリゼ通りをモデルに建設された大通り。オペラ座などが立ち並ぶ。 | 
| 英雄広場 | アンドラーシ通りの終点にあり、ハンガリー建国1000年を記念して造られた広場。 |