ヴィルヘルムスヘーエ城公園の概要
ヴィルヘルムスヘーエ城公園は、ドイツのヘッセン州カッセルにあるヨーロッパ最大の丘陵公園です。17世紀末からヘッセン=カッセル方伯によって造営が始まり、18世紀を通じて拡張されました。バロック様式の庭園とイギリス式の風景式庭園の要素を併せ持ち、丘の頂上に立つ巨大なヘラクレス像から麓の城館まで続く壮大な水の芸術(噴水とカスケード)で知られています。この独特な景観が評価され、2013年に世界文化遺産に登録されました。
世界遺産登録基準
- (iii) 絶対主義時代におけるヨーロッパ君主の思想を反映した、バロック様式の庭園芸術の顕著な例である。
- (iv) 巨大な水の芸術を実現した水理技術は、当時の技術の最高水準を示すものである。
遺産の価値
この公園の価値は、壮大なスケールの庭園芸術と、それを支える高度な土木・水理技術にあります。
- 庭園芸術
丘の頂上から一直線に水が流れ落ちるという、自然の地形を利用したダイナミックな景観は、バロック庭園の中でも他に類を見ない独創的なデザインです。 - 技術的革新
電力を使わず、高低差による水圧のみで巨大な噴水や滝を動かす水理システムは、18世紀の技術の粋を集めたものであり、現在も当時のまま稼働しています。
主な見どころ
| 見どころ | 特徴 |
|---|---|
| ヘラクレス像 | 公園の最高地点に立つ高さ約70mの建造物。カッセルの街のシンボルとなっている。 |
| カスケード(階段状の滝) | ヘラクレス像の足元から約250mにわたって流れ落ちる壮大な滝。 |
| ヴィルヘルムスヘーエ城 | 公園の中腹に建つ古典主義様式の宮殿。現在は美術館として利用されている。 |