良渚古城遺跡とは
良渚(りょうしょ)古城遺跡は、中国浙江省杭州市に位置する新石器時代の遺跡群で、2019年に世界文化遺産に登録されました。紀元前3300年から紀元前2300年頃に長江下流域で繁栄した「良渚文化」の中心地とされ、高度な都市計画、巨大な水利システム、そして精巧な玉器の文化を特徴としています。この遺跡は、中国における初期国家の存在と、5000年以上前の文明の高さを物語る重要な証拠です。
主な遺跡
- 城郭都市:遺跡は宮殿区、内城、外城の三重構造からなり、計画的な都市設計が見られます。
- 水利システム:都市を取り巻くように大規模なダム、堤防、運河が建設されており、治水、運輸、灌漑を目的とした当時の高度な土木技術を示しています。
- 祭祀遺跡と墓地:反山遺跡などからは、権力の象徴である「琮(そう)」や「璧(へき)」といった大量の玉器が出土しており、複雑な社会階層と宗教儀礼の存在がうかがえます。
世界遺産登録基準
- (iii) 長江下流域に存在した、階級分化を特徴とする初期の地域国家の独特な文化的証拠である。
- (iv) 巨大な土木工事によって建設された城壁や水利システムは、人類史の初期段階における都市文明の顕著な見本である。