タラゴナの考古遺跡群とは
タラゴナの考古遺跡群は、スペインのカタルーニャ州タラゴナ県にある古代ローマ時代の遺跡群です。ローマ帝国時代にヒスパニア・タッラコネンシス属州の首都「タッラコ」として栄えたこの都市の重要性を今に伝えており、2000年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
歴史的背景と価値
紀元前3世紀にローマの拠点として築かれたタッラコは、イベリア半島で最も古いローマ都市の一つです。属州の首都として、政治、経済、文化の中心地として発展し、その繁栄を物語る多くの公共建築物や記念碑が建設されました。円形闘技場や水道橋、凱旋門などの遺跡は、保存状態が非常に良好であり、ローマ時代の都市計画と建築技術を理解する上で貴重な歴史的証拠とされています。
主な構成資産
この世界遺産は、タラゴナ市内とその近郊に点在する14の資産で構成されています。
- ローマ時代の城壁
- 皇帝崇拝のための神殿区域
- 属州政庁跡
- 競技場(キルクス)
- 植民市時代の公共広場(フォルム)
- ローマ劇場
- 円形闘技場
- 初期キリスト教時代のネクロポリス(共同墓地)
- ラス・ファレラス水道橋
- スキピオ家の塔
- メドル採石場
- センセーリェスの霊廟
- アルタフーリャのローマ人別荘
- バラの凱旋門
登録基準
この遺産は、以下の基準を満たしたと評価されています。
- (ii) タラゴナの遺跡群は、ローマ時代の都市計画と設計の発展において類いまれな証拠であり、後のローマ属州の首都の模範となりました。
- (iii) 古代ローマ都市タッラコの遺跡は、地中海世界の歴史における重要な一段階を、他に例を見ないかたちで雄弁に物語っています。