アフロディシアス
アフロディシアスは、トルコ南西部に位置する古代ギリシャ・ローマ時代の都市遺跡です。愛と美の女神アフロディテ(ヴィーナス)信仰の中心地として栄えました。近郊で良質な大理石が産出されたことから、古代世界で最も有名な彫刻学校の一つが置かれ、都市全体が芸術作品のように美しい彫刻で飾られていました。その遺跡群は、古代の芸術と都市生活を今に伝える貴重な遺産です。
大理石と彫刻の古代都市
アフロディシアスの遺跡の中でも特に注目されるのは、皇帝崇拝のための複合施設「セバステイオン」です。そのプロピュロン(門)には、ローマ皇帝や神話の場面を描いた見事なレリーフが数多く残されています。また、3万人を収容できたとされるスタジアムは、古代世界の同種の施設の中で最も保存状態が良いものの一つです。これらの建造物は、アフロディシアスの彫刻家たちの卓越した技術を示しています。
| 主要な遺跡 | 特徴 |
|---|---|
| アフロディテ神殿 | 都市の中心であり、女神信仰の拠点。後に教会に転用された。 |
| セバステイオン | 皇帝崇拝のための施設。神話や皇帝の功績を描いた見事なレリーフが残る。 |
| スタジアム | 約3万人収容の陸上競技場。古代のスタジアムとして非常に保存状態が良い。 |
| 劇場 | 丘の斜面を利用した半円形の劇場。美しい舞台背景の壁が残る。 |
世界遺産登録基準
- (ii) アフロディシアスの彫刻家たちは、地中海世界全体の芸術に大きな影響を与えました。
- (ii) 大理石彫刻の伝統を伝える顕著な例です。
- (iv) 都市の公共建築物群は、ギリシャ・ローマ時代の都市計画と建築の優れた例です。
- (vi) 女神アフロディテ信仰の中心地として、古代世界の宗教と思想に深く関連しています。