ケブラーダ・デ・ウマウアカとは
ケブラーダ・デ・ウマウアカは、アルゼンチン北西部のフフイ州に位置する雄大な峡谷地帯で、2003年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。この地域は、何層にも重なった色とりどりの地層が織りなす独特の景観と、1万年以上にわたる先住民の文化やインカ帝国の歴史が刻まれている点で高く評価されています。その自然の美しさと文化的価値から、多くの観光客や研究者が訪れています。
登録基準
この世界遺産は、以下の基準を満たしたことが評価されました。
- (ii) 高地のアンデス地方と低地の平野部を結ぶ重要な交易路として、1万年以上にわたり異なる文化が交流し、融合してきた歴史的価値が認められています。
- (iv) 厳しい自然環境の中で、農業、牧畜、集落といった土地利用のシステムが発展し、独自の文化を育んだ文化的景観の顕著な例とされています。
- (v) 先スペイン期からインカ帝国、スペイン植民地時代を経て現代に至るまで、伝統的な土地利用が継続している顕著な例であることが評価されています。
遺産の価値
独特の地形と自然の美しさ
ケブラーダ・デ・ウマウアカの最大の魅力は、赤、紫、緑など鮮やかな色彩を持つ地層が重なり合って作り出す壮大な景観です。特にプルママルカ村の背後にそびえる「七色の丘」は、その美しさで世界的に知られています。
歴史的・文化的な価値
この地域には、先インカ時代からインカ帝国時代の要塞や集落の遺跡が数多く残されています。また、スペイン植民地時代に建てられた教会や村々のたたずまいは、多様な文化が融合してきた歴史を物語っています。
遺産の概要
地理と気候
アンデス山脈の東麓に位置し、標高の変化が激しい峡谷地帯です。気候は乾燥しており、日中と夜間の気温差が非常に大きいのが特徴です。
主要な見どころ
- ウマウアカ村:峡谷の名前の由来となった村。歴史的な建物や活気ある市場があり、地域の文化に触れることができます。
- プルママルカ村:「七色の丘(Cerro de los Siete Colores)」で有名な村。絵画のような美しい風景が広がります。
- ティルカラの遺跡:インカ帝国に征服される以前に、先住民のオマグアカ族によって築かれた要塞(プカラ)の遺跡。戦略的な高台からの眺めは圧巻です。
主要な見どころ一覧
| 見どころ | 特徴 | 
|---|---|
| ウマウアカ村 | 歴史的な建物や市場が残る地域の中心地 | 
| プルママルカ村 | 「七色の丘」で知られる美しい村 | 
| ティルカラの遺跡 | 先インカ時代に築かれた大規模な要塞遺跡 | 
観光と保全
ケブラーダ・デ・ウマウアカは、その美しい景観と文化的重要性から世界中から観光客を惹きつけています。一方で、増加する観光が脆弱な自然環境や文化遺産に与える影響も懸念されています。そのため、地域の文化と自然を守るための持続可能な観光の推進や、保全活動が重要視されています。
この貴重な遺産を未来の世代に引き継いでいくために、訪れる私たち一人ひとりが自然と文化の大切さを再認識し、その保護に協力する意識を持つことが求められます。

 
    
       
       
       
       
       
       
       
       
      