ケレタロの歴史的建造物地区とは
メキシコ中央高原に位置する都市ケレタロの歴史地区で、1996年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。この都市は、スペイン人によって計画された碁盤の目状の整然とした街区と、先住民オトミ族の住居区に見られる迷路のような不規則な路地という、二つの異なる都市計画が共存・調和している点でユニークです。
遺産の概要と特徴
ケレタロの価値は、多文化共生を反映した都市計画と、壮麗なバロック様式の建造物群にあります。
- 二元的な都市計画: スペイン人征服者と先住民が平和的に共存した歴史を背景に、幾何学的なスペイン人街区と、自然な街路を持つ先住民街区が隣接して発展しました。
- バロック建築: 17世紀から18世紀にかけての経済的繁栄期に、豪華な装飾を持つ教会、修道院、邸宅が数多く建設されました。
- 水道橋(アクアダクト): 18世紀に建設された、全長1,280mに及ぶ壮大な石造りのアーチ橋。街に水を供給した重要なインフラであり、現在ではケレタロの象徴的なランドマークとなっています。
世界遺産登録基準
- (ii) スペイン人地区と先住民地区という異なる文化の都市計画が融合・共存した顕著な例である。
- (iv) 植民地時代の都市計画と、17〜18世紀のバロック建築が見事に調和した優れた例である。
主要な建造物
| 建造物名 | 特徴 |
|---|---|
| 水道橋(アクアダクト) | 74のアーチからなる巨大な石造りの水道橋。ケレタロの象徴的存在。 |
| サンタ・クララ教会 | 内部の祭壇が豪華な金箔の彫刻で埋め尽くされていることで有名。 |
| サン・フランシスコ教会 | ケレタロで最も古い教会の一つ。現在は地域博物館となっている。 |