グアナフアトの歴史地区と鉱山とは
メキシコ中部の山間に位置する歴史的な鉱山都市で、1988年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。16世紀に発見された銀鉱山により、18世紀には世界の銀産出量のかなりの部分を占めるほど繁栄しました。その莫大な富によって建てられた豪華絢爛なバロック様式の教会や邸宅が、迷路のような谷間の街にひしめき合っています。
遺産の概要と特徴
「世界で最も美しい都市」の一つと称されるグアナフアトの価値は、鉱業の歴史と一体となった唯一無二の都市景観にあります。
- バロック建築の傑作: 銀鉱主たちが競って寄進したことにより、ラ・コンパーニャ教会やバレンシアーナ教会など、メキシコ・バロック建築の最高峰ともいえる壮麗な教会が建てられました。
- カラフルな街並みと地下道: 急峻な谷間にカラフルな家々が密集して建てられており、絵画のような景観を生み出しています。また、かつて川だった場所を地下道(スブテラネア)に転用しており、車が街の地下を行き交う独特の都市構造を持っています。
- 歴史的重要性: メキシコ独立戦争が始まった場所であり、穀物倉庫「アロンディガ・デ・グラナディタス」での戦いは歴史的に有名です。
世界遺産登録基準
- (i) ラ・コンパーニャ教会やバレンシアーナ教会は、新大陸におけるバロック芸術の傑作である。
- (ii) 鉱業を通じて世界の経済・文化交流に大きな影響を与えた。
- (iv) 鉱山都市の発展段階を示す顕著な建築群の例である。
- (vi) メキシコ独立戦争の発端となるなど、国の歴史に重要な影響を与えた。
主要な建造物
| 建造物名 | 特徴 |
|---|---|
| バレンシアーナ教会 | 銀鉱山の隣に建てられた教会。豪華な金泥細工の祭壇で知られるチュリゲラ様式の傑作。 |
| バシリカ・コレヒアータ | 鮮やかな黄色の外観が特徴的な、グアナフアトのシンボル的教会。 |
| アロンディガ・デ・グラナディタス | 元は穀物倉庫。メキシコ独立戦争緒戦の舞台となった歴史的建造物。現在は博物館。 |