チャンチャンの考古地区とは
チャンチャンの考古地区は、ペルー北部の海岸地帯にあるプレ・インカ時代の遺跡で、1986年に世界文化遺産に登録されました。15世紀にインカ帝国に征服されるまで栄えたチムー王国の首都であり、日干し煉瓦(アドベ)で作られた都市としてはアメリカ大陸最大級の規模を誇ります。気候変動による浸食の危機に瀕しており、「危機にさらされている世界遺産」にも登録されています。
世界遺産登録基準
- (i) チャンチャンの厳格な政治的・社会的戦略は、その都市計画に明確に表れています。9つの「シウダデラ」(城塞)からなる都市のゾーニングは、人類の創造的才能の傑作です。
- (iii) チムー王国の首都であったチャンチャンは、15世紀にインカに征服される前に消滅したチムー文化のユニークな証拠を提供しています。
主な特徴
チャンチャンの広大な遺跡は、チムー文化の社会構造と芸術性を物語っています。
遺跡名 | 特徴 |
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シウダデラ(城塞) | 王の宮殿、神殿、住居、墓地などを含む9つの巨大な城壁で囲まれた区画。壁面には魚や鳥などの幾何学的なレリーフが施されています。 |
ニケ・アン宮殿 | 最も保存状態が良く、観光客に公開されている宮殿の一つ。波や海の生物をモチーフにした美しい壁の装飾が特徴です。 |
アドベ建築 | 日干し煉瓦を積み上げて作られた建造物群。その規模と精巧な装飾は、チムー文明の高度な建築技術を示しています。 |