WORLD HERITAGE
チャン・チャン考古遺跡地帯
ペルー北岸のチャン・チャンは、チムー王国が築いた日干しれんがの巨大都市です。囲壁区画、水路、倉庫、浮彫から統治と乾燥地適応を読み、豪雨・地下水・侵食に弱い土造遺産の保全を解説します。

ESSENTIAL FACTS
基本情報と登録基準
- 登録年
- 1986年
- 登録基準
- (1)・(3)
- 種類
- 文化遺産
- 国・地域
- ペルー
WHY IT MATTERS
この世界遺産について
基本情報と遺産の意義
チャン・チャン考古遺跡地帯(Chan Chan Archaeological Zone)はペルー北岸のモチェ谷にある、チムー王国の都の遺跡です。1986年に登録基準(i)(iii)で世界遺産となり、登録面積は1,414.57haです。登録と同じ年に危機遺産一覧表にも記載され、2026年10月に確認したUNESCOの現行欄でも記載が継続しています。
都市の構成と囲壁区画
高い土壁に囲まれた大規模区画には、広場を中心に神殿、居住施設、倉庫、貯水施設、埋葬のための基壇などが配置されました。周囲には織物、木工、金属加工の生産区もあり、都は王の建物だけでなく、工芸品の製作と物資の蓄積を担う空間から成り立っていました。
ペルー文化省は、都市の中心部と、囲われた耕地や祭祀建築、湿地を含む周辺部が組み合わされていたと説明しています。土で造られた壁面の浮彫装飾も特徴です。チムー王国は15世紀に最盛期を迎え、その後インカの支配下に入りました。
水利と都市計画の価値
乾燥した海岸で大都市を維持するには水の確保が欠かせませんでした。UNESCOの価値声明によると、モチェ川とチカマ川から約80kmの水路を介して灌漑網に水が供給され、チャン・チャン周辺の地域を支えました。
基準(i)は、厳密な区画分けと空間の使い分け、階層的な建築配置に表れた都市計画の達成を評価します。基準(iii)は、宗教的・象徴的な建築と技術、環境への適応を結びつけたチムー文化の独自の証言に対応します。
豪雨と地下水に向き合う保存
土造建築は、エルニーニョに伴う激しい降雨などで損傷を受けやすく、地下水位の上昇も保存上の課題となってきました。UNESCOが紹介する保全事例では、地下水を調整する排水設備の維持、囲壁や埋葬基壇の安定化、建築記録の作成が取り上げられています。地域の職人の研修や、学校・地域社会への普及活動も保存計画に組み込まれました。
具体的には、ペルー文化省の2025年11月12日の発表が、ニク・アン区画の保護屋根の補強と傷んだ屋根材の交換、排水溝の修理、流水を妨げる堆積物の除去を報告しています。これらは浮彫のある壁へ雨水を入れないための作業です。一度の修復で終わるのではなく、土の遺構を支える継続的な手入れの実例といえます。
検定のポイント
ペルー北岸、チムー王国の都、日干しれんがを用いた土造都市、囲壁区画と水利施設が特徴です。1986年登録、基準(i)(iii)で、危機遺産一覧表への記載も1986年に始まりました。インカ文化の石造都市とは区別されます。
参考文献
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EXAM ESSENTIALS
世界遺産検定で押さえるポイント
- ペルー北岸、チムー王国の都、日干しれんがを用いた土造都市、囲壁区画と水利施設が特徴です。
- 1986年登録、基準(i)(iii)で、危機遺産一覧表への記載も1986年に始まりました。
- インカ文化の石造都市とは区別されます。
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