概要
フォンニャ‐ケバン国立公園は、ベトナム中部のラオス国境付近に広がる国立公園です。アジアで最も古いとされる広大なカルスト地形が特徴で、世界最大級のソンドン洞窟をはじめ、数多くの洞窟が存在します。その独特な地質学的価値と豊かな生物多様性が評価され、2003年に世界自然遺産に登録されました。
遺産の価値
- 地質学的価値: 約4億年前に形成が始まったとされるカルスト地形は、地球の歴史を物語る貴重な見本です。公園内には総延長126kmにも及ぶ洞窟群が確認されています。
- 生物多様性: 熱帯の常緑樹林に覆われた公園内には、多くの固有種や絶滅危惧種を含む多様な動植物が生息しており、生物多様性保全の観点からも非常に重要です。
登録基準
- (viii) 地球の歴史、地形形成、地理的特徴を理解する上で重要な、カルスト地形の顕著な見本である。
- (ix) 陸上生態系における進化と発展の過程を示す、顕著な進行中の生態学的・生物学的プロセスを代表する例である。
- (x) 絶滅危惧種の生息地を含む、生物多様性の保全にとって最も重要な自然生息地を代表する例である。
主な見どころ
| 洞窟名 | 特徴 |
|---|---|
| フォンニャ洞窟 | 地下川をボートで進むことができる洞窟。ライトアップされた鍾乳石が美しいことで知られます。 |
| ティエンソン洞窟 | フォンニャ洞窟の上部に位置する乾燥した洞窟。数百万年かけて形成された壮大な鍾乳石が見られます。 |
| パラダイス洞窟 | 「天国の洞窟」と称される、アジアで最も美しいとされる洞窟の一つ。巨大な空間と造形美が圧巻です。 |
参考文献
UNESCO World Heritage Centre. 「フォンニャ-ケバン国立公園」. https://whc.unesco.org/ja/list/951