概要
「パリのセーヌ河岸」は、フランスの首都パリの中心部を流れるセーヌ川の川岸区域を対象とする世界遺産です。シュリー橋からイエナ橋までの約8kmの範囲が含まれ、ノートルダム大聖堂やルーヴル美術館、エッフェル塔といったパリを象徴する数多くの歴史的建造物や橋が集中しています。都市の発展と川が密接に関わってきた歴史的景観そのものが評価され、1991年に登録されました。
世界遺産としての価値
この遺産は、以下の登録基準を満たしていると評価されています。
- 登録基準(i): 河岸に立ち並ぶ建造物群は、それぞれが建築史上の傑作であり、それらが一体となって他に類を見ない都市景観を形成していること。
- 登録基準(ii): パリが西欧世界のモデル都市として、特に19世紀以降のオスマンによる都市改造などを通じて、世界の都市計画に絶大な影響を与えたこと。
- 登録基準(iv): 中世から現代に至るまでの建築様式の変遷を見ることができる、生きた博物館であること。ゴシック、ルネサンス、バロック、近代建築など多様な様式が共存しています。
主なランドマーク
セーヌ河岸には、世界的に有名なランドマークが数多く含まれています。
| 建造物名 | 特徴 |
|---|---|
| ノートルダム大聖堂 | シテ島に建つゴシック建築の最高傑作の一つ。2019年の火災で大きな被害を受けましたが、修復が進められています。 |
| ルーヴル美術館 | 元々はフランス王家の宮殿。現在は世界最大級の美術館として、『モナ・リザ』など多くの至宝を収蔵しています。 |
| エッフェル塔 | 1889年のパリ万国博覧会のために建設された鉄塔。パリのシンボルとして世界中で知られています。 |
| コンシェルジュリー | 元々は王宮でしたが、フランス革命期には牢獄として使用され、マリー・アントワネットも収監されました。 |