オウロ・プレトの歴史地区とは
オウロ・プレトは、ブラジルのミナス・ジェライス州に位置する、かつて金鉱で栄えた歴史都市です。「黒い金」を意味するその名の通り、18世紀のゴールドラッシュの中心地として繁栄を極めました。急峻な谷間に築かれた街には、当時の富を物語る豪華なバロック様式の教会や邸宅が数多く残されています。1980年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
遺産の価値
オウロ・プレトの価値は、ブラジルの黄金時代を築いた歴史と、天才彫刻家アレイジャディーニョが残したバロック芸術の傑作群にあります。
- バロック建築の宝庫: 街の至る所に、金で彩られた祭壇を持つ教会や、美しい石造りの邸宅、噴水などが点在し、18世紀の植民地都市の景観を今に伝えています。
- アレイジャディーニョの芸術: ブラジル最高の彫刻家と称されるアレイジャディーニョ(本名アントニオ・フランシスコ・リシュボア)が手がけた教会建築や彫刻は、ブラジル独自のバロック様式「バロコ・ミネイロ」の頂点とされています。
世界遺産登録基準
- 登録基準(i): アレイジャディーニョの作品群が、独創性に満ちたバロック芸術の傑作であることが評価されました。
- 登録基準(iii): 18世紀のゴールドラッシュによって繁栄した文明の、他に類を見ない証拠であることが評価されました。
主な建造物
街にはアレイジャディーニョが設計・装飾を手がけたサン・フランシスコ・デ・アシス教会をはじめ、数々の歴史的建造物があります。
建造物名 | 特徴 |
---|---|
サン・フランシスコ・デ・アシス教会 | アレイジャディーニョの代表作。建築と彫刻が見事に融合したバロック芸術の傑作です。 |
チラデンテス広場 | 街の中心に位置し、独立運動の英雄チラデンテスの像が立つ、歴史的な広場です。 |
ピラール聖母教会 | 内部に400kg以上の金が使われたとされる、豪華絢爛な教会です。 |
参考文献: UNESCO World Heritage Centre. “Historic Town of Ouro Preto”. https://whc.unesco.org/en/list/124