ホルトバージ国立公園 – プスタ
ハンガリー東部に広がる広大なアルカリ性草原地帯(プスタ)で、ヨーロッパ最大の塩性ステップです。1973年にハンガリー初の国立公園に指定され、1999年には伝統的な牧畜が育んだ文化的景観として世界文化遺産に登録されました。2000年以上にわたり、人間と自然が共存してきた独特の景観が特徴です。
世界遺産としての価値
ホルトバージ国立公園は、何世紀にもわたって続けられてきた伝統的な牧畜という土地利用によって維持されてきた、ヨーロッパでは稀有な文化的景観です。人間と自然の調和のとれた関係を示す優れた例として評価されました。また、渡り鳥の重要な中継地であり、豊かな生物多様性も保護されています。
- 登録基準(iv):人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積、または景観の優れた見本。
- 登録基準(v):ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落、あるいは陸上・海上の土地利用の際立った見本。
公園の主な特徴
広大なプスタには、独特の自然と文化が広がっています。
- 伝統的な牧畜:現在もチコーシュ(馬使い)やグヤーシュ(牛飼い)が伝統的な手法で家畜を飼育しており、その文化が受け継がれています。
- 生物多様性:ヨーロッパオオヅルをはじめとする340種以上の鳥類が観察されるバードウォッチングの聖地です。また、ハンガリー原産の灰色牛やラツカ羊などの固有種も飼育されています。
- 文化的建造物:プスタを横断する「九つの穴の橋」や、旅籠として使われたチャールダなどが点在し、歴史的な景観を構成しています。