トカイ地方のワイン産地の歴史的文化的景観
ハンガリー北東部に位置する、世界的に有名な貴腐ワイン「トカイワイン」の産地です。この地域で2000年以上にわたって育まれてきたワイン生産の伝統と、それによって形成された文化的景観が評価され、2002年に世界文化遺産に登録されました。ブドウ畑、農村、そして広大な地下ワインセラー網が遺産の構成要素です。
世界遺産としての価値
トカイ地方は、特別な気候風土を生かした貴腐ワイン生産の伝統を、数世紀にわたり維持・発展させてきた顕著な例です。その土地利用、社会構造、文化的伝統のすべてがワイン生産と密接に結びついており、人類と自然の相互作用によって生まれた独特の景観が高く評価されました。
- 登録基準(iii):現存する、または消滅した文化的伝統、または文明の、唯一の、または少なくとも稀な証拠。
- 登録基準(v):ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落、あるいは陸上・海上の土地利用の際立った見本。
主なワイン生産地域
トカイ地方は、中心となる町や村によって構成されています。
| 地域名 | 特徴 |
|---|---|
| トカイ (Tokaj) | 地域の中心地であり、名前の由来となった町。歴史的なワイナリーが集まる。 |
| マード (Mád) | 最高品質の貴腐ワインを産出する村の一つ。シナゴーグなどユダヤ文化の遺産も残る。 |
| タールツァル (Tarcal) | 広大なブドウ畑が広がり、美しい景観で知られる。 |