カルアト・アル-バフレーン – 古代の港とディルムンの首都とは
カルアト・アル-バフレーンは、バーレーンの北海岸に位置する考古遺跡です。紀元前2300年頃から16世紀に至るまで、異なる文明によって人々が住み続けた結果形成された人工の丘(テル)であり、特に古代ディルムン文明の首都であったことで知られています。4000年以上にわたる都市の歴史を物語る遺跡として、2005年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
遺産の価値
この遺跡の価値は、古代世界の重要な交易拠点であったこと、そして一つの場所に幾世代もの都市の歴史が層をなして堆積している点にあります。
- 古代の国際交易拠点: ディルムン文明の時代、この港はメソポタミア文明(現在のイラク)とインダス文明(現在のパキスタン・インド)を結ぶ海上交易の中継地として繁栄しました。異なる文明からの出土品は、当時の活発な国際交流を物語っています。
- 4000年の歴史の積層: 遺跡を発掘すると、ディルムン時代の住居、公共施設、城壁から、後の時代のギリシャ、ペルシャ、イスラム、そして最上層のポルトガル時代の要塞まで、様々な時代の遺構が重なり合って発見されます。これはまさに「歴史の縮図」と言える貴重な遺跡です。
世界遺産登録基準
- (ii) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
- (iii) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
- (iv) 人類の歴史上において代表的な段階を示す、建築様式、建築物群、技術の集積、または景観の顕著な見本。
概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | バーレーン、北部県 |
| 登録年 | 2005年 |
| 遺産種別 | 文化遺産 |
| 遺跡形態 | テル(遺丘) |
| 主な時代 | ディルムン文明(紀元前2300年頃~)、ティロス(ヘレニズム期)、ポルトガル占領期(16世紀) |
| 主な遺構 | ディルムン時代の都市遺構、住居跡、公共建築、ポルトガル要塞 |