カルタゴの考古遺跡とは
カルタゴは、チュニジアの首都チュニスの郊外に位置する古代都市遺跡で、1979年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。紀元前9世紀にフェニキア人によって建国され、地中海貿易の拠点として繁栄を極めましたが、共和政ローマとの3度にわたるポエニ戦争の末に滅亡。その後、ローマ帝国の都市として再建され、アフリカ属州の首都として再び栄えました。遺跡には、フェニキア(ポエニ)時代とローマ時代の遺構が重層的に残されています。
世界遺産登録基準
- (ii) カルタゴは、フェニキアからローマ、ヴァンダル、ビザンツ、そしてアラブへと続く文化の交流・融合の中心地でした。
- (iii) 地中海世界に広大な影響力を持ったカルタゴ文明の、現存する数少ない証拠として貴重です。
- (vi) ポエニ戦争をはじめとする古代地中海世界の重要な歴史的出来事と直接的に関連しています。
主な遺跡
広大な敷地には、カルタゴの栄枯盛衰を物語る遺跡が点在しています。
| 遺跡名 | 特徴 |
|---|---|
| アントニヌスの浴場 | 2世紀に建設されたローマ帝国最大級の公共浴場。地中海を望む壮大な遺構が残る。 |
| ビュルサの丘 | カルタゴ発祥の地とされる丘。ポエニ時代の街並みの跡や、ローマ時代のフォルム(公共広場)の遺構がある。 |
| ポエニの港 | カルタゴの繁栄を支えた軍港と商業港の跡。円形の軍港の遺構が特徴的。 |