キリマンジャロ国立公園とは
キリマンジャロ国立公園は、タンザニア北東部に位置する国立公園で、1987年にユネスコの世界自然遺産に登録されました。アフリカ大陸最高峰(標高5,895m)であるキリマンジャロ山を中心に広がり、その壮大な景観と多様な生態系で知られています。
世界遺産としての価値
登録基準(vii)「自然美」において、赤道直下にありながら山頂に氷河を頂くキリマンジャロ山の景観は、アフリカを象徴する卓越した自然美として高く評価されています。地質学的には約75万年前に形成された3つの火山峰(キボ、マウェンジ、シラ)から構成され、その火山活動の歴史を物語っています。また、公園内には低地の熱帯雨林から高地の草原、高山帯のツンドラまで、標高に応じて多様な生態系が垂直に分布しており、生物多様性の観点からも重要です。
地理と登山ルート
キリマンジャロ山への初登頂は、1889年にドイツ人探検家ハンス・マイヤーとオーストリア人登山家ルートヴィヒ・プルトシェラーによって達成されました。現在では複数の登山ルートが整備されています。
| ルート名 | 特徴 |
|---|---|
| マラング・ルート | 最も一般的で、山小屋に宿泊できるため「コカ・コーラ・ルート」とも呼ばれる。 |
| マチャメ・ルート | 景観の美しさから人気が高く、「ウィスキー・ルート」とも呼ばれる。キャンプ泊が基本。 |
| ロンガイ・ルート | 北側のケニア国境側からアプローチするルート。比較的登山者が少ない。 |
参考文献
「キリマンジャロ国立公園」. UNESCO. https://whc.unesco.org/ja/list/403