アントニ・ガウディの作品群とは
「アントニ・ガウディの作品群」は、スペイン・カタルーニャ州のバルセロナを中心に点在する、建築家アントニ・ガウディが設計した建築物群です。19世紀末から20世紀初頭にかけてのモデルニスモ(カタルーニャ地方のアール・ヌーヴォー)を代表するこれらの作品は、その独創的なデザインと革新的な技術が高く評価され、1984年に世界文化遺産に登録、2005年に範囲が拡大されました。
主な構成資産
世界遺産には以下の7つの建築物が登録されています。
- グエル公園
- グエル邸
- カサ・ミラ
- カサ・ビセンス
- サグラダ・ファミリア(生誕のファサードと地下聖堂)
- カサ・バトリョ
- コロニア・グエル教会(地下聖堂)
建築様式と特徴
ガウディの建築は、自然界の動植物や地形から着想を得た、曲線的で有機的なフォルムが最大の特徴です。構造と装飾が一体となったデザインを追求し、破砕タイルを用いた「トランカディス」と呼ばれるモザイク装飾や、ねじれた柱、波打つような壁面など、従来の建築様式にとらわれない斬新な表現を生み出しました。これらの作品は、カタルーニャ地方の文化や歴史と深く結びついています。
世界遺産としての評価
ガウディの作品群は、以下の3つの基準を満たしたことで世界遺産に登録されました。
- 登録基準(i):自然から着想を得た独創的なデザインは、人類の創造的才能が生んだ傑作である。
- 登録基準(ii):19世紀末から20世紀初頭にかけてのカタルーニャ地方の建築および建設技術の発展に大きく貢献した。
- 登録基準(iv):当時の社会や文化を反映した新しい建築様式を確立し、その後の建築史に大きな影響を与えた。