ファールンの大銅山地域とは
ファールンの大銅山地域は、スウェーデンのダーラナ地方に位置する、9世紀から20世紀にかけて採掘が行われた銅山を中心とする文化的景観です。特に17世紀にはスウェーデンの国力を支える「王国の財庫」と称され、世界で最も重要な鉱山の一つでした。2001年にユネスコの世界文化遺産に登録され、計画都市ファールンや鉱山労働者の居住地など、広範囲にわたる産業遺構が保存されています。その象徴的な存在が、1687年の大落盤によって形成された巨大な採掘跡「ストーラ・ストーテン」です。
世界遺産としての価値
この遺産は、長期間にわたる鉱山技術の発展と、それが地域社会や文化的景観に与えた影響を物語る顕著な例です。その価値は以下の登録基準に集約されています。
- 登録基準(ii): ヨーロッパにおける鉱山技術の発展において、長年にわたり重要な役割を果たした。
- 登録基準(iii): 鉱山活動が地域社会に与えた影響を物語る類まれな証拠であり、当時の生活様式を今に伝えている。
- 登録基準(v): 人類が自然環境を利用し、適応してきた歴史を示す文化的景観の優れた見本である。
主な見どころ
ファールンの大銅山地域には、鉱山の歴史を伝える数多くの施設や遺構が残されています。
| 施設 | 特徴 |
|---|---|
| ストーラ・ストーテン | 1687年の大落盤で形成された巨大な採掘跡。鉱山の規模を象徴する景観。 |
| 鉱山博物館 | 鉱山の歴史、技術、労働者の生活に関する資料を展示する博物館。 |
| エルスボリ地区 | 鉱山労働者が暮らした、歴史的な木造家屋が立ち並ぶ居住区。 |