コモエ国立公園とは
コートジボワール北東部に位置する、西アフリカで最大級の面積を誇る国立公園です。1983年に世界自然遺産に登録されました。サバンナと森林という異なる生態系の境界に位置するため、非常に豊かな植物多様性を特徴としています。
登録基準
- (ix) 陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において進行しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す顕著な見本であるもの。公園内を流れるコモエ川が、乾季でも緑を保つ河畔林を育み、サバンナの動物たちに貴重な水と食料を供給しています。
- (x) 生物多様性の本来的保全にとって最も重要な自然の生息地を包含するもの。サバンナと森林の両方の環境に適応した多様な動植物が生息しており、生物多様性保全の観点から極めて重要です。
遺産の価値
コモエ国立公園の最大の価値は、その類まれな植物の多様性です。サバンナ、サバンナ林、密度の高い乾燥林、河畔林といった多様な植生がモザイク状に広がり、西アフリカの他のどの保護区よりも多くの植物種が確認されています。この多様な植生が、チンパンジー、アフリカゾウ、リカオンなど、多種多様な動物の生息を可能にしています。
遺産の概要
公園は広大なサバンナ地帯にあり、熱帯気候に属します。乾季と雨季が明瞭で、この気候が多様な植生を形成しています。公園内には古代の集落跡や岩絵なども残されており、自然遺産であると同時に文化的な側面も持ち合わせています。かつては国内の政情不安により密猟が横行し、2003年から2017年まで危機遺産リストに登録されていましたが、その後の保全努力によりリストから解除されました。
観光と保全
政情の安定化以降、公園のインフラ整備が進み、観光客の受け入れも再開されています。サファリツアーなどを通じて、多様な野生動物を観察することができます。密猟の脅威は依然として存在するため、レンジャーによる監視活動や地域住民への啓発活動など、継続的な保全努力が不可欠です。
コモエ国立公園の主な動植物
| 動物 | 代表的な植生 |
|---|---|
| アフリカゾウ | サバンナ林 |
| チンパンジー | 河畔林 |
| ライオン | 草本サバンナ |
| ヒョウ | 乾燥林 |