ブコヴィナ・ダルマティアの主教座施設とは
ウクライナ西部の都市チェルニウツィーにある、19世紀後半に建設された壮麗な建築群です。2011年に世界文化遺産に登録されました。元々は、オーストリア=ハンガリー帝国時代の正教会の府主教の邸宅として建てられ、現在はチェルニウツィー大学の校舎として使用されています。ビザンティン、ゴシック、ムーアなど多様な建築様式が融合した歴史主義建築の傑作と評価されています。
世界遺産登録基準
- (2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
- (3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
- (4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
建築的特徴
チェコの建築家ヨセフ・フラヴカによって設計されたこの建築群は、赤レンガの壁、色鮮やかなタイル屋根、精緻な装飾が特徴です。神学校、教会、府主教の住居からなる複合施設であり、19世紀における宗教的寛容性と多文化共生の象徴とされています。
危機遺産
2022年からのロシアによるウクライナ侵攻を受け、潜在的な脅威にさらされていることから、2023年9月にユネスコによって危機遺産リストに登録されました。これにより、遺産の保護と監視が強化されています。