大ヒマラヤ国立公園とは
インド北部のヒマーチャル・プラデーシュ州に位置する自然保護区で、2014年にユネスコの世界自然遺産に登録されました。ヒマラヤ山脈西部に広がり、氷河や高山草原、森林など、標高差による多様な生態系が特徴です。地球規模で重要な生物多様性のホットスポットとされています。
世界遺産登録基準
この遺産は、以下の基準を満たしたと評価されました。
- 基準(x): 絶滅の危機に瀕しているユキヒョウやヒマラヤタール、ジャコウジカなど、多くの希少な動植物の生息地として、生物多様性の保全上、極めて重要な地域であること。
遺産の価値
大ヒマラヤ国立公園の価値は、手つかずの雄大な自然環境と、そこに息づく豊かな生物多様性にあります。標高1,500mから6,000m以上に及ぶ広大な公園内には、気候帯に応じた様々な植生が分布し、それが多様な動物たちの生息を支えています。ここは、ヒマラヤ固有の生態系を研究し、保護するための重要な拠点です。
地理と気候
公園は急峻な山岳地帯に位置し、多くの谷や氷河を抱いています。気候は標高によって大きく異なり、低地は温帯、高地は寒帯の気候を示します。冬季には豪雪に見舞われる厳しい自然環境が、独自の生態系を育んできました。
観光と環境保全
トレッキングなどを目的としたエコツーリズムが人気ですが、公園内の環境への影響を最小限に抑えるため、入園者数やルートが厳しく管理されています。訪問者には、自然保護の重要性を伝えるプログラムが提供されるなど、持続可能な観光が推進されています。
代表的な動植物
| 分類 | 主な種類 |
|---|---|
| 哺乳類 | ユキヒョウ、ヒマラヤグマ、ヒマラヤタール、ブルーシープ(バラル) |
| 鳥類 | ニシトゲオキジ、ヒマラヤセッケイ |
| 植物 | 高山性のシャクナゲ、マツ、トウヒなどの森林、薬用植物 |