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ラージャスターンの丘陵要塞群

ラージャスターンの丘陵要塞群とは

インドのラージャスターン州に点在する壮大な城塞群で、2013年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。ラージプート族の王国の力と建築技術の高さを示すこれらの城塞は、砂漠地帯の丘陵という戦略的な立地を活かして築かれています。

構成される6つの要塞

この世界遺産は、以下の6つの城塞で構成されています。

  • チットールガル城
  • クンバルガル城
  • ランタンボール城
  • ガグロン城
  • アンベール城(アメール城)
  • ジャイサルメール城

世界遺産登録基準

この遺産は、以下の基準を満たしたと評価されました。

  • 基準(ii): ラージプート族の建築様式や防衛技術、そして宮廷文化が、その後のマラーター王国やムガル帝国などの建築や都市計画に大きな影響を与えたこと。
  • 基準(iii): 8世紀から18世紀にかけてラージャスターン地方で栄えたラージプート族の王国の力や文化的伝統を、他に類を見ない形で証明していること。

遺産の価値

城塞群の価値は、その軍事的な機能と居住空間、そして宗教施設が一体となった独特の建築様式にあります。堅固な城壁の内側には、豪華な宮殿、寺院、貯水槽、庭園などが配置され、一つの都市として機能していました。これらの建造物は、ラージプート族の芸術、文化、歴史を物語る貴重な証人です。

観光と保全

これらの城塞は人気の観光地となっており、多くの観光客が訪れます。そのため、歴史的建造物の保護と持続可能な観光の両立が課題となっています。インド政府や州政府は、遺跡の修復や管理体制の強化を進め、この貴重な遺産を未来へ継承するための取り組みを行っています。

主要な要塞の概要

要塞 特徴
チットールガル城 ラージャスターン最大級の城塞。壮大な城壁と多くの宮殿や寺院が残る。
クンバルガル城 「万里の長城」に次ぐ長さの城壁を持つ。山頂からの眺望が美しい。
ランタンボール城 現在は国立公園内にあり、野生動物と歴史的建造物を同時に楽しめる。
ガグロン城 川に囲まれた水城(ジャル・ドゥルグ)の典型例。
アンベール城 イスラム建築の影響を受けた豪華絢爛な宮殿で知られる。
ジャイサルメール城 砂漠の中に佇む黄金色の城塞。「ゴールデン・フォート」の愛称を持つ。

ラージャスターンの丘陵要塞群の基本情報

                         
国名 インド
世界遺産の名称 ラージャスターンの丘陵要塞群
遺産の種類 文化遺産
登録年 2013
拡張・範囲変更
危機遺産
危機遺産登録期間
登録基準 (ⅱ)(ⅲ)
備考
範囲(ヘクタール)736
地図

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