古都ヤズド
概要
古都ヤズドは、イラン中央部に位置する歴史的な都市で、2017年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。砂漠地帯にある独特の都市景観と、古代から続く建築技術、文化的遺産で知られています。この都市は、砂漠環境に適応した伝統的な建築物や風土文化が残る貴重な場所であり、乾燥した気候に適応するため、風を取り入れる「バードギール」(風塔)や地下水路「カナート」といった独自の建築様式が特徴です。
世界遺産登録基準
- (ⅲ) 古代から続く都市文化と建築技術の進化を示す顕著な例であり、特に砂漠環境に適応した建築物や都市計画は、持続可能な生活様式を象徴しています。
 - (ⅴ) 都市景観と建築物は、砂漠環境における独特な建設技術の証拠です。これらの技術は、都市が厳しい気候条件に適応し、持続可能な生活を維持するために発展したものです。
 
遺産の価値
ヤズドの価値は、持続可能な都市計画と、文化的・歴史的価値に集約されます。独自の風塔や地下水路システムはエネルギー効率の高い生活様式を支え、イランの伝統的な都市文化を象徴する重要な文化遺産とされています。
主要な建築物
| 建築物 | 詳細 | 
|---|---|
| アミール・チャクマグ広場 | 歴史的な広場とその周囲の建築物群。 | 
| ジャーメ・モスク | 美しいタイル装飾が施された歴史的なモスク。 | 
| 風塔(バードギール) | 砂漠の風を取り入れ、建物を自然に冷却するための伝統的な換気システム。 | 
観光と保全
ヤズドは、その歴史的価値と独特な都市景観から多くの観光客を引きつけていますが、その保存と持続可能な観光が重要視されています。この都市は未来に向けてその価値を守り続けていくべき重要な文化遺産であり、訪れることで持続可能な生活の重要性を再認識し、保護活動への意識を高めることが求められます。
参考文献
UNESCO World Heritage Centre, “Historic City of Yazd”, https://whc.unesco.org/ja/list/1544