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ジェノヴァ:レ・ストラーデ・ヌオーヴェとパラッツィ・デイ・ロッリ制度

概要

「ジェノヴァ:レ・ストラーデ・ヌオーヴェとパラッツィ・デイ・ロッリ制度」は、イタリア北西部の港町ジェノヴァにある世界遺産です。16世紀から17世紀にかけて、ジェノヴァ共和国の最盛期に整備された「レ・ストラーデ・ヌオーヴェ(新しい道)」と呼ばれるガリバルディ通りなどの街路と、その沿道に建てられた壮麗な宮殿(パラッツォ)群を対象とします。

歴史的背景

16世紀、ジェノヴァは金融と海運貿易でヨーロッパ有数の富裕な都市国家でした。その富を背景に、有力貴族たちは都市の威信を示すため、壮麗な宮殿を次々と建設しました。レ・ストラーデ・ヌオーヴェは、これらの宮殿を建設するために計画された直線的な街路で、当時のヨーロッパにおける先進的な都市計画の事例となりました。

パラッツィ・デイ・ロッリ制度とは

「パラッツィ・デイ・ロッリ」とは、公的な迎賓館として使用される宮殿のリスト(ロッリ)を指します。ジェノヴァ共和国は、国賓や要人をもてなすための迎賓館を所有していませんでした。その代わりに、貴族たちが所有する豪華な宮殿をリスト化し、籤(くじ)によって持ち回りで迎賓館として提供する「ロッリ制度」を創設しました。このユニークな制度により、都市全体が公的な役割を担い、私的な邸宅が公共空間として機能しました。

世界遺産登録と登録基準

この都市計画と建築様式、そして独自の迎賓制度が、ヨーロッパの都市計画や建築に大きな影響を与えたことが評価され、2006年に世界文化遺産に登録されました。登録基準は以下の通りです。

  • (ii) 建築、技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展に重要な影響を与えた。ジェノヴァの都市計画とパラッツォ群は、ヨーロッパの王侯貴族の邸宅建築に大きな影響を与えました。
  • (iv) 人類の歴史上において重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積、または景観の顕著な見本。16世紀から17世紀のヨーロッパにおける、私的な邸宅が公共の用途に供された最初の例です。
建築物 特徴
ドーリア・トゥルシ宮殿 現在は市庁舎として利用。壮大なファサードを持つルネサンス様式の宮殿。
ロッソ宮殿 現在は美術館。豪華なフレスコ画や内装で知られるバロック様式の宮殿。
ビアンコ宮殿 現在は美術館。16世紀から18世紀のヨーロッパ絵画を多数収蔵。

ジェノヴァ:レ・ストラーデ・ヌオーヴェとパラッツィ・デイ・ロッリ制度の基本情報

                         
国名 イタリア共和国
世界遺産の名称 ジェノヴァ:レ・ストラーデ・ヌオーヴェとパラッツィ・デイ・ロッリ制度
遺産の種類 文化遺産
登録年 2006
拡張・範囲変更
危機遺産
危機遺産登録期間
登録基準 (ⅱ)(ⅳ)
備考
範囲(ヘクタール)15.777
地図

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