プレ山及びマルティニーク島北部の峻峰群の火山と森林とは
この世界遺産は、カリブ海の小アンティル諸島に位置するフランス海外県マルティニーク島北部の、火山活動によって形成された壮大な自然景観です。中心となるのは、1902年の大噴火で知られる活火山のプレ山で、その周辺には険しい山々(峻峰群)と生物多様性に富んだ熱帯雨林が広がっています。火山活動が作り出した独特の地形と、そこに育まれた固有の生態系が高く評価されています。
世界遺産登録
2023年、「プレ山及びマルティニーク島北部の峻峰群の火山と森林」は、以下の登録基準を満たしたとして世界自然遺産に登録されました。
- 登録基準(viii):火山噴火の全ての岩区が観察でき、火山学の歴史において象徴的な「プレー式噴火」の基準となった場所として、地球の歴史の重要な段階を示している。
- 登録基準(x):世界的な絶滅危惧種を含む、マルティニーク島固有の動植物の生息地として、生物多様性の保全上、極めて重要な価値を持つ。
遺産の価値と特徴
この遺産の価値は、地質学的な重要性と生物学的な重要性の両方にあります。プレ山は、火山学の発展に大きく貢献した噴火の典型例として世界的に知られています。また、火山を取り巻く森林は、島の孤立した環境で進化した多くの固有種の宝庫です。マルティニーク・ヤマカガシ(ヘビ)、マルティニーク・ボルケーノ・フロッグ(カエル)など、ここでしか見られない絶滅危惧種が多数生息しており、生物多様性のホットスポットとして、その保護が国際的に重要視されています。
| 自然環境 | 特徴 |
|---|---|
| プレ山 | 活火山であり、1902年の「プレー式噴火」で有名。火山学的に重要な地形を持つ。 |
| 北部の峻峰群 | 火山活動で形成された険しい山々。 |
| 熱帯雨林 | 多くの固有種や絶滅危惧種が生息する生物多様性の宝庫。 |