トロンデック・クロンダイクとは
トロンデック・クロンダイクは、カナダ北西部ユーコン準州に位置する、19世紀末のクロンダイク・ゴールドラッシュの歴史を物語る文化的景観です。この地で金が発見されると、一攫千金を夢見る人々が世界中から殺到し、先住民トロンデック・ホウェチンの居住地にドーソン市などの町が急速に形成されました。この遺産には、ゴールドラッシュ時代の採掘場跡、現在も活動を続ける金鉱、そして先住民の伝統的な土地利用の跡地などが含まれています。
世界遺産登録
2023年、「トロンデック・クロンダイク」は、以下の登録基準を満たしたとして世界文化遺産に登録されました。
- 登録基準(iv):19世紀末のゴールドラッシュが、先住民の土地に植民地的な町を急速に形成した過程を示す顕著な例である。
遺産の価値と特徴
トロンデック・クロンダイクの価値は、ゴールドラッシュという世界的な出来事が、カナダ北部の辺境の地に与えた社会的・文化的影響と、それに適応していった先住民の歴史を共に示している点にあります。ドーソン市には当時の木造建築が数多く保存されており、ゴールドラッシュ時代の町の様子を今に伝えています。また、この遺産は、金採掘という経済活動と、トロンデック・ホウェチンが何千年にもわたって続けてきた狩猟採集の伝統が、同じ土地でどのように共存・対峙してきたかを示す貴重な証拠でもあります。
| 遺産名 | 特徴 |
|---|---|
| ドーソン市 | ゴールドラッシュ時代の建築物が良好に保存された歴史的都市。 |
| 採掘キャンプ | ゴールドラッシュ時代の採掘活動を今に伝える遺構。 |
| トロンデック・ホウェチンの関連史跡 | 先住民の伝統的な生活とゴールドラッシュへの適応の歴史を示す場所。 |