フーラーマーン/ウラマナトの文化的景観とは
イラン西部のクルディスタン州とケルマンシャー州にまたがる山岳地帯の文化的景観で、2021年に世界遺産に登録されました。この地域には、古代からクルド人の一支族であるハラミ族が居住し、険しい山岳環境に適応した独自の農牧文化を育んできました。急斜面に築かれた段々畑状の村落、伝統的な建築、そして季節的な移牧などの生活様式が、自然と人間が長年にわたり調和してきた証として評価されています。
景観の特徴
- 段状建築の村落:村々は山の急斜面に築かれ、「下の家の屋根が上の家の庭」となる独特の階段状の構造をしています。石材と木材を用いた伝統的な建築様式が特徴です。
- 伝統的な農牧業:急斜面を開墾した段々畑での農業や、季節に応じて高地と低地を移動する移牧が、現在も続けられています。
- 無形文化遺産:ハラミ族の言語、伝統衣装、儀式、音楽なども、この文化的景観を構成する重要な要素です。
世界遺産登録基準
- (iii) ハラミ族の伝統的な農牧文化と、山岳環境への適応を示す類まれな証拠である。
- (v) 半農半牧の生活様式を反映した伝統的な土地利用と集落の顕著な見本である。