高敞、和順、江華の支石墓群とは
「高敞、和順、江華の支石墓群」は、韓国の3つの地域に残る先史時代の墓である支石墓(ドルメン)の遺跡群で、2000年に世界文化遺産に登録されました。紀元前1千年紀に造られたこれらの支石墓は、その数と密集度において世界最大級であり、当時の巨石文化や社会構造、精神世界を解き明かす上で極めて重要な考古学遺産です。
遺産の価値
- 巨石文化の物証: 全世界に分布する支石墓の約40%が朝鮮半島に集中しており、この3遺跡群はそれを代表するものです。巨石の採石、運搬、構築技術を知る上で貴重な手がかりとなります。
- 先史時代の社会の解明: 支石墓の形式や規模、副葬品などから、青銅器時代の社会階層や政治権力の存在、埋葬儀礼や思想などを推測することができます。
主な支石墓群
登録されている3つの支石墓群は、それぞれ異なる特徴を持っています。
| 支石墓群名 | 特徴 |
|---|---|
| 高敞(コチャン)支石墓群 | 韓国最大級の支石墓群。約440基以上が密集しており、卓子式(北方式)や碁盤式(南方式)など多様な形態が見られる。 |
| 和順(ファスン)支石墓群 | 谷間に沿って約590基が分布。支石墓を造るための石切り場が発見されており、築造過程を解明する上で重要。 |
| 江華(カンファ)支石墓群 | 山の麓から尾根にかけて約150基が点在。高敞や和順よりも古い時代のものと考えられている。 |
登録基準
- (iii) 先史時代の技術や社会を物語る、巨石文化の伝統に関する他に類を見ない証拠である。