ウランゲリ島保護区の自然生態系とは
ウランゲリ島保護区は、ロシア極東の北極海に浮かぶウランゲリ島とヘラルド島、およびその周辺海域からなる世界自然遺産です。2004年に登録されたこの地域は、厳しい北極環境の中にありながら、驚くほど豊かな生物多様性を誇り、「北極圏の進化の博物館」とも呼ばれています。
遺産の概要
| 所在地 | ロシア連邦、チュクチ自治管区 |
| 登録年 | 2004年 |
| 遺産種別 | 自然遺産 |
| 登録基準 | (ix), (x) |
主な価値
ウランゲリ島は最終氷期にも広範囲が氷床に覆われなかったため、多くの種が生き残り、独自の進化を遂げました。その結果、北極圏で最も高いレベルの生物多様性を持つ地域となっています。
- 登録基準 (ix) 生態系: 北極圏における長期的な進化のプロセスを示す顕著な例です。島には多くの固有種の植物が存在し、マンモスの牙や骨が発見されるなど、古代の生態系からの連続性を示しています。
- 登録基準 (x) 生物多様性: 生物多様性の保全上、非常に重要な地域です。世界最大の太平洋セイウチの繁殖地であり、ホッキョクグマの巣穴の密度が世界で最も高い場所です。また、コククジラの重要な採餌場であり、100種以上の渡り鳥が飛来する鳥類の楽園でもあります。