屋久島とは
屋久島は、鹿児島県大隅半島佐多岬南南西約60㎞の海上に位置する島です。九州最高峰の山である宮之浦岳(標高1936m)があります。
1993年に世界自然遺産に登録されました。
登録基準の具体的内容
屋久島は、世界遺産の登録基準ⅶとⅸを満たしています。
登録基準ⅶ
屋久杉が創り上げる森林の美しさは、他に類を見ないものです。
登録基準ⅸ
屋久島は、亜熱帯から温帯への移行帯に位置し、標高1800mを越える山が7座連なっています。このような環境が、亜熱帯から亜寒帯までの植物が垂直に分布する貴重な環境を生み出していると考えられています。
また、ヤクシカ、ヤクザル等の固有亜種の存在も独自の生態系を表しています。
遺産の概要
屋久島の総面積は504.88㎢で、これは東京23区よりも少し小さい程度です。この小さな島に日本列島の北から南までの植生が観測される珍しい場所となっています。
これには以下2点の理由があります。
- 屋久島の位置が亜熱帯の北限(北緯30度)であること
- 宮之浦岳(1936m)を筆頭に高山が連なる山岳島であること
平地から山頂へ標高が上がるにつれて植生が変化し、亜熱帯植物から亜寒帯植物までが垂直方向に分布している点が数少ない例として世界遺産に登録されています。例えば富士山等でも垂直分布は見られますが、屋久島は小さい島ながら植生が豊かという点で地球規模で見ても非常に珍しいのです。
屋久杉
屋久島固有のスギの中で、樹齢1000年を越えるものを屋久杉と言います。1000年以下の物は小杉と呼びます。
屋久杉の特性は屋久島の誕生と深く関係しています。屋久島は地表近くまで花崗岩に覆われており、土壌に栄養分が少ないです。このため、スギの成長が他の地域に比べ遅くなり、年輪の幅が狭くなります。年輪の幅が狭いと、幹の目が詰まって硬くなり、樹脂の量が他のスギに比べて6倍以上に達することもあります。樹脂には防腐、抗菌効果があるため、腐朽せず樹齢を延ばすことが可能になるのです。腐りにくい屋久杉は切り株更新が起こりやすく、独特の景観を生み出しているのも特徴です。
縄文杉
![屋久島の縄文杉](https://whlibrary.net/wp-content/uploads/2022/10/image.png)
縄文杉は樹高25m、根回り43mで屋久杉の中でも最大級の大きさを誇ります。1966年5月に発見されました。樹齢は諸説ありますが、2000~7000年と言われています。最新の調査では2170年とされています。
縄文杉を見るためには長時間の登山が必要となるので、観光に行く場合は事前によく調べておくことをおすすめします。
大王杉
縄文杉が見つかるまでは最大の屋久杉とされていました。
ウィルソン株
![ウィルソン株](https://whlibrary.net/wp-content/uploads/2022/10/image-1-1024x768.png)
大正時代にウィルソン博士が紹介したことによりこの名になっています。
夫婦杉
2本の屋久杉の枝が高さ約10mの位置で繋がっているため、この名前がつけられました。