ビニャーレス渓谷の写真

ビニャーレス渓谷

ビニャーレス渓谷とは

ビニャーレス渓谷は、キューバ西部のピナール・デル・リオ州に広がるカルスト地形の渓谷で、1999年にユネスコの世界文化遺産(文化的景観)に登録されました。この地域は、「モゴーテ」と呼ばれる巨大な石灰岩の岩山が点在する独特の景観と、数世紀にわたって受け継がれてきた伝統的なタバコ栽培の農業景観が融合していることで知られています。自然の美しさと人間の営みが調和した文化的景観が高く評価されています。

景観と伝統農業の価値

ビニャーレス渓谷の価値は、その唯一無二の自然景観と、そこで育まれた文化的伝統にあります。主な特徴は以下の通りです。

  • 独特のカルスト地形: 平坦な谷底から垂直にそびえ立つ、丸みを帯びた形状のモゴーテ群は、世界でも類を見ない壮大な風景を創り出しています。渓谷には多くの洞窟も存在します。
  • 伝統的なタバコ栽培: この地域の肥沃な土壌は、世界最高品質と評されるキューバ産葉巻の原料となるタバコの栽培に最適です。牛を使った耕作や、「カサ・デ・タバコ」と呼ばれる茅葺きの乾燥小屋など、伝統的な農法が今もなお続けられています。

世界遺産登録基準

ビニャーレス渓谷は、以下の基準を満たしたことが評価され、世界遺産に登録されました。

  • 登録基準(iv): カルスト地形の中で発展した伝統的な農業、特にタバコ栽培の顕著な文化的景観であること。その農法や建築、社会は、カリブ海地域における文化的発展の重要な段階を示しています。

主な見どころ

名称 特徴
モゴーテ 渓谷の象徴である、切り立った石灰岩の岩山群。緑の谷とのコントラストが美しいです。
タバコ畑 伝統的な農法でタバコが栽培されており、牛が畑を耕すのどかな風景が見られます。
カサ・デ・タバコ 収穫したタバコの葉を乾燥させるための、ヤシの葉で葺かれた伝統的な小屋です。
インディオの洞窟 先住民が住居としていた洞窟で、内部を流れる地下川をボートで探検できます。

ビニャーレス渓谷は、壮大な自然と素朴な農村文化が調和した風景で、訪れる人々に安らぎと感動を与えます。この貴重な文化的景観を未来へ継承するため、持続可能な観光と保全活動が進められています。

ビニャーレス渓谷の基本情報

                         
国名 キューバ共和国
世界遺産の名称 ビニャーレス渓谷
遺産の種類 文化遺産
登録年 1999
拡張・範囲変更
危機遺産
危機遺産登録期間
登録基準 (ⅳ)
備考
範囲(ヘクタール)13200
地図

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